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二つの診断:ADHDとASD

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ADHDとASDの共存とは何か?

ADHD(注意欠陥・多動性障害)とASD(自閉スペクトラム症)が同時に存在する場合、患者さんの表れる症状は個々に異なり、それぞれの障害が相互に作用しあうことがあります。この状態を「共病」と称し、集中力の欠如や社交性の困難など、両障害の典型的な特徴が見られます。これらの症状は診断に際して複雑性を増し、心理医学の専門家による丁寧な評価が求められます。また、これらの障害を持つ方々は、個別の支援やアプローチが必要であり、適切な介入が彼らの生活の質を大きく向上させることができます。

ADHDとその多様な表現形式

ADHD(注意欠陥・多動性障害の概要)

ADHD、すなわち注意欠陥・多動性障害は、発達障害の一種で、集中力が散漫になる傾向や過度の活動性が特徴です。

この障害は主に、「不注意型」と「多動・衝動型」という二つのカテゴリに分類されます。

不注意型における主な特徴

  • 頻繁に物を失くす
  • 誤りが多い
  • 注意がすぐそらされる
  • 特定のタスクに没頭しすぎる

準備が行き届かず、メールなどの文が冗長になることがある

多動・衝動型における主な特徴

  • 思いつきですぐ行動する
  • 順番を待つのが苦手
  • 会話中に他人を遮る
  • 一方的な会話が多くなる

これらの行動が原因で、学校や職場、家庭生活に支障を来たすことがあります。大人になると多動性の問題は減少するものの、注意力の散漫が残りやすくなります。

その結果、仕事でのミスが増えることや、約束事を守れなくなるなど、社会生活における挑戦が増大します。この状況に対する適切な理解と支援が、関わる全ての人にとって重要となります。

自閉スペクトラム症(ASD)の多様な影響

ASD、自閉スペクトラム症は一般的な発達障害であり、約100人に1~2人の割合で見られます。この状態は遺伝的要素を持つこともしばしばで、同じ家族内に複数の症例が存在することがあります。

ASDを持つ人々は、他者の感情を読み取ることや、比喩的表現や冗談を理解することが難しい場合が多いです。さらに、限定的な関心事項に異常なほどの執着を見せることが一つの特徴です。

感覚過敏もASDの一般的な特徴であり、音や光、触感に対する反応が強いことがあります。詳細な特徴は以下の通りです。

社会的交流の課題

  • 他人の感情や意図を理解するのが難しい
  • 新しい状況に適応するのが苦手
  • 自己中心的な見解を持ちやすい
  • 場の空気を読むのが困難

コミュニケーションの障壁

  • 即座に適切な言葉が見つからない
  • 書かれた言葉や話される言葉の表現が制限される
  • 言葉の解釈が狭く、一般的な会話にズレが生じる
  • 人とのやり取りが苦手

強いこだわり

  • 好きなこと、嫌いなことの差が激しい
  • 自ら設定したルールから逸脱できない
  • 日常のルーチンが変わると不安を感じる

成長するにつれ、自己と他者との違いが明らかになり、それが原因で人間関係に悩むことが増えます。これがさらに進行すると、うつ病や不安障害など他の精神的な問題を併発するリスクが高まります。適切な理解と支援がこれらの個人の生活質の向上には不可欠です。

ADHDとASDの識別:複雑性を理解する

発達障害にはADHD(注意欠陥・多動性障害)やASD(自閉スペクトラム症)などがあり、これらが単独で現れるだけでなく、複数が重なるケースも珍しくありません。実際には、ADHDとASDの両診断を受けている人も少なくなく、これらの障害の症状が交差することが一般的です。

特に、どちらか一方の障害の診断を下すのが困難な場合があるため、精密な診断が必要とされます。発達障害は個々人の特性や困っている点が異なるため、ADHDとASDが同時に見られることもあります。

2013年、アメリカ精神医学会は診断基準を更新し、DSM-5ではASDの診断基準にADHDの併存を認める方針に変更されました。

診断の明確化よりも重要なのは、その人固有の病理に基づいて治療を進め、本人やその周囲が直面する問題を緩和することです。各個人の症状に合わせた適切な対応が求められます。

最終的には、ADHDであれASDであれ、その人のニーズを理解し、障害の特性に適したサポートを提供することが、最も重要です。これにより、日常生活における多くの障害を克服し、より良い生活品質を支援することが可能になります。  

ADHDとASDの複合現象

ADHD(注意欠陥・多動性障害)とASD(自閉スペクトラム症)は、異なる診断項目ながらも、しばしば一緒に見られる現象です。これらは独立した障害として明確に分けるのが困難で、相互に影響を及ぼすことが多いため、一方が診断された場合でも、もう一方の存在も検討されるべきです。

特に、知的障害のないASD患者の約30%がADHDの特徴を示すという研究があり、ASDの症状が顕著な場合、ADHDの併発確率はさらに高くなることが指摘されています。

したがって、一方向だけではなく、双方の特徴に注目して診断する必要があります。例えば、ADHDの診断を受けた場合でも、ASDの特性が見られるかもしれないし、逆もまた真なりです。

さらに、遺伝子研究や脳の画像診断でも、ADHDとASDの間には共通する異常が見られることが報告されています。これにより、これらの障害が脳の機能や構造上で似たような変異を共有していることが示唆されています。

臨床的な観点からも、ASDと診断された個人の約30~50%がADHDの兆候を持ち、その逆も同程度に観察されるため、これら二つの障害を別個に扱うのではなく、一つの連続体として捉えることが重要です。この理解は、より包括的な支援と適切な介入戦略の設計に寄与します。

ADHDとASDの重複と社会的課題

ADHD(注意欠陥・多動性障害)とASD(自閉スペクトラム症)が重複すると、個人の社会適応能力は顕著に影響を受けるとされます。

例えば、ADHDの特性を持つ人々はその障害に起因する課題に直面し、ASDの特性を持つ人々も同様に異なる困難に直面します。これら二つの障害が重なる場合、単純な加算以上の複雑な症状が現れることが知られています。つまり、1+1が3以上に相当するほどの課題が生じるというのです。

この合併状態では、ASDに典型的な「他者の感情を察するのが困難」という特性が、ADHDに特有の「衝動的行動」によってさらに複雑化します。この結果、本人だけでなく周囲の環境も悪化する可能性があります。例えば、集中力が必要な職場でのコミュニケーションが難しくなったり、誤りを容易に認められない状況が生じたりすることがあります。

これにより、単一の障害であっても社会生活に障害が出るのに、二つの障害が重なることで、さらに困難が増すというわけです。

社会生活において、ADHDとASDの重複を持つ人々が職業や人間関係を円滑に進めるためには、専門的な治療と周囲からの適切な支援が不可欠です。それにより、彼らが直面する多様な挑戦を克服し、より良い生活を送る手助けができるでしょう。

ADHDとASDの重複症状に対するサポート

ADHDとASDの両障害が存在する場合、重要な支援策としては、「安心できる環境」の構築が挙げられます。

ADHDとASDは異なる診断を持つものの、類似した症状が多く見られ、特に成人になるとこれらの識別が困難になることもあります。このため、具体的な診断名にこだわるよりも、現在直面している問題に焦点を当て、その解決を優先するべきです。明確な診断が下されなくても、困難を乗り越えるための具体的な支援策を講じることが可能です。

効果的な支援を実施するためには、本人が発達障害を持つことを含めた全人格を理解し、尊重することが不可欠です。また、家族や支援者が緊密に連携し、一貫したサポートを提供することが重要となります。適切なサポートが整うことで、日常生活における障害の影響が軽減され、社会生活をよりスムーズに送ることが可能になります。

要するに、ADHDやASDが合併している場合でも、本人が快適に過ごせるような支援環境を整えることが、苦悩を軽減し、より良い生活を送る上で最も重要な要素です。  





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監修医師

草薙威史 先生

草薙威史 先生

経歴
  • 山形大学医学部 卒
  • 二本松会山形病院
  • 飯沼病院
  • 星ヶ丘病院
  • さとうメンタルクリニック
  • 新宿溝口クリニック
  • ナチュラルアートクリニック
  • 新宿廣瀬OPクリニック
  • ひめのともみクリニック
  • 三田こころの健康クリニック新宿
  • 医療法人社団TLC医療会 ブレインケアクリニック 理事長
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