最近よく聞く「ADHD(注意欠如多動性障害)」ってなぁに
ADHD(注意欠如多動性障害)は、発達障害の特性のひとつに分類され、「集中力のなさ」「感情の起伏」「多動性」が特徴です。これらの症状は、日常生活や学校、職場でのポジションに大きな影響が出ます。特に、人間関係においては、ADHDの特性の影響が、非常に関係していると思っていいでしょう。
ADHDの特性を持つ人は、TPOを弁えないKYな言動の問題に直面することがよくあります。これらが原因で、孤立感や自尊心の低下を引き起こす場合があり、適切な理解や周りのサポートが必要です。しかし、適切な治療やサポート体制で、発達障害の人も、その周りの人たちも、充実した人間関係を築くことができます。
大人のADHDの特徴3選
私が悪い?友だちがおかしい?友だち関係で、上手くいかない時は、発達障害の特性が関係しているかもしれません。
自己中
ADHDは、自分が興味がある楽しいことがあると、気がそちらに向いてしまいます。
例えば、小さい頃、おつかいを頼まれて、まっすぐ家に向かって帰っていたら、公園が目に入り気付いたら1時間ずっと遊んでたことなど、あったんじゃないでしょうか。
それを大人になってやってしまうと、自分のことしか考えていない、なんて誤解を与えてしまいます。
遅刻癖・ドタキャン
ADHDは、スケジュール管理もマルチタスクも苦手。
頑張って「計画を立てる」「スケジュールを調整する」ということがクリアになったとしても、もうひとつの特性”衝動性”が出てしまうと、意図せず注意の対象が他のことに向くこともあります。
「予定そのものを忘れた」「気付いたら予定時刻が過ぎていた」というケースも見られます。
人の話を最後まで聞けない
特性の衝動性が炸裂してしまい、とにかくしゃべり倒す人もいます。相手の話を最後まで聞けなかったり、すぐ別の話題に切り替えたりと話にまとまりがなく、「会話泥棒」と呼ばれることもあるでしょう。
人によっては、自覚がないわけではなく、後からすごく落ち込む人もいます。
整理整頓ができない
ゴミ屋敷の話はよくテレビでやっていますが、あれもADHDの特性が関係しています。大切なものと不要なものの区別が出来ません。
断捨離なんてやろうとした日には、何も捨てられず、懐かしい漫画を読んで1日が終わり、整理整頓目的で、クローゼットや押し入れから出した私物の山に頭を抱えるでしょう。
パソコンやスマホでもそうですが、フォルダやアプリがズラッと並んでいる人とスッキリ片付いている人がいますよね。ズラッと並んでいても何も気にならないんです。
ごちゃごちゃに乱雑に置かれたフォルダやアプリが、ADHDの頭の中を表しているような感じです。
ADHDの人のカバンは大きい、と聞いたことがあります。必然的に持ち物が多くなるのです。お財布いっぱいに入っているぐちゃぐちゃのレシートや、山のような小銭。
忘れ物が多いから、あれもこれも持ち歩いてしまい、結局ひとつなくなっても気付かないなんてこともあります。
本当に友だちなんかいらない?
社会人になると、学生時代のように半ば強引にグループを作らされるなんて事がなくなり、気が合う同士が友情を育んでいきます。ひとりでランチを食べることが増えた、それに慣れてしまった、なんて人もいると思います。
会社にも、仲良しグループや派閥があるかもしれませんが、本来の目的は仕事です。上戸会社の往復だけで1日が終わることもしばしば。学生時代の友だちと会う回数も減ると思います。
会社の飲み会に参加しても、ノリが合わないことや輪に入れない事もあると思います。
ADHDの特性が原因で友だちが出来ないなんてことも
自分の話ばかりしてしまう
最初の方でも話しましたが、人の話を遮るクセがあります。
また、「昨日、熱出て困ったよ」と言われたら、普通は「え!大丈夫なの?」など、相手を気遣う返答をすると思います。
ADHDの場合、「私も熱出た!熱には〇〇が良いらしいよ!そう言えば、〇〇って~」と話を自分が話したい話にすり替え、相手の発熱の話はもう終わった話なのです。
考えすぎて黙る
会話のキャッチボールが上手く出来ません。
「スタバって美味しいよね!」と言われると、スタバって店の名前なのに美味しいって何?スタバの商品の話だとしてもどの商品のことを言っているんだろう?と、考えているうちに、他のみんなからノリ遅れてしまいます。
適当に返してくれればいい内容でも、深く考えて答えてしまうので、ノリが悪いと誤解を受けます。
時間が守れない
始めの方に話した、時間管理やスケジュール管理が下手なのも特性ですが、方向音痴の人が多いのも事実です。
方向感覚や空間認識能力が低く、地図が読めないので、人に道を教えられないことや、何故か同じ道をぐるぐるしてしまうことなど、余計な時間がかかってしまいます。
さらに、注意力散漫なおかげで、いろいろなものに興味・好奇心が出てしまい、道草をしてしまいます。
待ち合わせの時間に間に合うように家を出たのに、間に合わないのです。
友だち付き合いにおけるADHDが感じるストレス
本当に友だちのことは好きだけど、会って帰ってくるとグッタリ、、、
テンションが合わないのかな?と距離を置いてしまう前に
マメな連絡が出来ない
口と脳みそがつながっているくらいマシンガントークを繰り広げるADHDですが、SNSやLINEの連絡は遅く、既読スルーも頻繁にしてしまいます。
学生時代なら、交換日記や連絡網を自分のところで止めてしまったりしていなかったですか?大人になっても、支払催促の期限が過ぎてしまったり、結婚式の招待状に返信を忘れたり、どうして後回しにしてしまうの?と思われることばかりです。
疲れやすい
ADHDは、「易疲労性」といって、通常より疲れやすい体質です。
環境に馴染むため、いつも無理をしているところがあります。感覚過敏の人は、いつもと違う場所や音、ニオイなどに敏感に反応してしまいます。普通の人より、常に気を張って生きている、ということでしょう。
仲の良い気心の知れた仲間なのに、家に帰ってどっと疲れてしまい、そのまま体調不良で次の日も休んでしまうこともあります。
ADHDの人は、自分の特性を分かっているので、みんなに嫌われないよう普通以上に気を使っています。「今変なこと言ってなかったかな?」「笑うタイミングおかしかったかな」など、会話ひとつにも気苦労が絶えません。
みんなで集まるために、前日から入念に用意して忘れ物がないかしっかり調べます。当日迷わないように、遊びに行く予定の場所に下見に行くこともあるかもしれません。
ネガティブ思考
みんなと遊んですごく楽しかったのに、ふとネガティブな思考が頭を悩ませる事もあります。
「あそこは、違う言い回しにしたら良かった」「あの時こうすれば」タラレバがたくさん出て来て頭がいっぱいになります。
自分の発言が失礼だったんじゃないかなど、マイナス思考になったり悲観的になったり、頭はそれでぐるぐる。
まとめ
当てはまるところはありましたか?
簡単に出来そうな解決法を考えてみましょう!
- 5分前10分前アラームをかける
- ふせんでお知らせ
- こまめにメモを取る
- リマインド機能を活用
- 周りにカミングアウトして、理解を求める
「ちょっと抜けてる友だちがいる」くらいに思ってもらえればいいんですが、どうしても合わない人もいます。無理に仲良くなろうとせず、距離を取りましょう。わざわざ嫌な思いをしてまで付き合う必要はありません。
大人になると逃げるのもひとつの対処法になります。
自分の悪い部分を、すべて発達障害の特性のせいにするのではなく、自分なりの対処法を見出し、上手く付き合っていけるよう、視野を広げていきましょう。
ADHDの特性故の個々の経験や症状は人それぞれ異なりますので、専門家に相談することが大切です。
よくある質問
- Q.ADHDの特性にはどのようなものがありますか?
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ADHDの特性には、集中力の欠如、感情の起伏、多動性があります。これらの特性が日常生活や人間関係に影響を及ぼすことがあります。
- Q.ADHDの特性が原因で友達関係に問題が生じることはありますか?
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はい、ADHDの特性が原因で、自己中心的な行動、遅刻やドタキャン、人の話を最後まで聞けないなどの問題が生じ、友達関係がうまくいかないことがあります。
- Q. ADHDの特性を持つ人が友達関係を円滑にするためにはどうすれば良いですか?
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ADHDの特性を持つ人が友達関係を円滑にするためには、スケジュール管理やメモを取る習慣を身につけること、周囲に特性をカミングアウトして理解を求めること、無理に合わない人と付き合わないことなどが有効です。また、専門家に相談することも大切です。