心療内科・精神科 渋谷区恵比寿の心療内科・精神科|ハロスキンクリニック恵比寿院 精神科・心療内科 コラム

子どもの頃のブランケットが手放せない!「ブランケット症候群」

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ブランケット症候群とは、小さな子供たちが安心感を求めて毛布や特定の布製のアイテムに強い依存を示す心理的な状態を言います。これは、不安やストレスがある時に安心やセキュリティを感じるための手段として現れます。子供たちはこのアイテムを通じて落ち着きを得たり、眠りにつくのを助けたりします。

一般的には、発達の一環とみなされ、多くの子どもたちが年齢とともにこの段階を卒業します。しかし、特に強い依存が見られる場合や、年齢が上がっても依存が続く場合には、親やケアギバーが注意深く対応することが求められます。ブランケット症候群自体は、子どもの成長過程での自然な現象の一部であり、多くの場合、特別な介入を必要としませんが、子どもの感情的な発達をサポートするための理解と適切な指導が大切です。

スヌーピーの登場人物「ライナス」もブランケット症候群

『スヌーピー』に登場するライナスの例が挙げられます。

彼は、常に青い毛布を持ち歩き、それによって安心感を得ています。実際に、ブランケット症候群は「ライナスの毛布」とか「安心毛布」とも称されることがあります。心理学では、このような毛布やぬいぐるみを「移行対象」と呼びます。

ブランケット症候群を発症する年齢や男女での確率

ブランケット症候群は、生後5、6カ月の離乳食を始める頃から成人に至るまで幅広い年齢層に見られますが、特に幼児期に最も一般的に観察されます。男女間での発生頻度には違いがあり、女の子にこの症状が見られることが多いとされています。この現象の一因としては、移行対象として選ばれるアイテムがぬいぐるみなどの柔らかい物が多いため、女の子がこれらに親しみやすいことが考えられます。

ブランケット症候群は病気ではない

一部の人たちは「症候群」という言葉に不安を感じるかもしれませんが、ブランケット症候群は病気ではないことを理解することが大切です。この用語は、イギリスの小児科医であり精神分析医であるD・W・ウィニコットによって提唱された「移行対象」に関する概念から来ています。ウィニコットは、移行対象は「ほどよい母親」と乳児の間で自然に生じるものだと述べています。ここでいう「ほどよい母親」とは、子どもの成長に合わせて適切な距離感で接する母親のことを指し、初期の密接な関係から徐々に自立を促す過程を示しています。したがって、ブランケット症候群は健康的な成長の過程の一部と見なされます。

欧米の子どもは依存しやすい

欧米では、子どもの自立を早期に促す育児スタイルが一般的で、早くから授乳を終えたり、過度なスキンシップを避ける傾向があります。このため、子どもたちが移行対象への依存を強めることが多いとされています。一方で、アジア圏、特に日本や中国では、おんぶ文化のように育児中に多くのスキンシップが行われることが一般的です。その結果、欧米に比べて子どもが移行対象に依存する割合が低い傾向にあります。この背景から、ブランケット症候群は欧米で比較的見られる現象と言えるでしょう。

母親からの独立に対する不安

子どもは生まれて間もない頃から、授乳を通じて母親との強い同一性を形成します。これにより、「自分とお母さんは一体」という感覚が育まれますが、生後5、6カ月頃から始まる離乳食を機に、この同一性は徐々に薄れていきます。しかし、子どもはすぐには母親との一体感を完全に手放すことができず、不安を感じるようになります。このため、安心感を得るための何かしらの移行対象を求めるようになるのです。

ブランケット症候群が見られる背景には、このように「母親からの独立に対する不安」があります。これをポジティブに捉えれば、子どもが自立へ向けて初めての一歩を踏み出す時期とも言えるでしょう。

親の愛情不足は原因にならない

親の愛情不足が、ブランケット症候群の原因ではないかと心配する方もいるかもしれませんが、この症候群と親の愛情の量との間に直接的な関連性を示すことは難しいです。

子どもの健康な成長過程の一環と見なされるため、愛情の不足とは無関係であると理解されています。

ブランケット症候群の兆候が見えたら

ブランケット症候群への基本的な対応は、過剰に心配することなく子どもを見守ることです。子どもが社会性を少しずつ身につけ始める5、6歳頃には、「この場所では使わないように」と軽い約束をすることが助けになります。

子どもが、特定の対象に強く執着することにより、分離不安障害や自閉スペクトラム症の疑いを持たれることもあります。ブランケット症候群とこれらの障害の区別をつけるためには、執着が自宅内だけに見られるかどうかが一つの重要な指標です。世間体を気にする年齢になっても公共の場での執着が続く場合は、専門の医療機関への相談を検討する価値があります。一方、外出先では恥ずかしくて持たないといった行動は、正常な発達の範囲内と考えられます。また、成人になっても移行対象を持つことはありますが、他人に迷惑をかけることなく生活している場合、特に心配する必要はありません。

ブランケット症候群は病気ではなく、成長過程の一部です。家族や周囲の人は、不必要な心配をせずに、子どもの成長を穏やかに見守ることが大切です。


 

よくある質問

Q.ブランケット症候群とは何ですか?

存する心理的状態を指します。

Q.ブランケット症候群の原因は何ですか?

ブランケット症候群は、母親からの独立に対する不安や、早期の自立を促す育児スタイルが一因とされています。

Q.ブランケット症候群への対処法は何ですか?

ブランケット症候群には過剰に心配せず、子どもを見守り、社会性を身につける年齢には適切な指導を行うことが重要です。


 


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監修医師

草薙威史 先生

草薙威史 先生

経歴
  • 山形大学医学部 卒
  • 二本松会山形病院
  • 飯沼病院
  • 星ヶ丘病院
  • さとうメンタルクリニック
  • 新宿溝口クリニック
  • ナチュラルアートクリニック
  • 新宿廣瀬OPクリニック
  • ひめのともみクリニック
  • 三田こころの健康クリニック新宿
  • 医療法人社団TLC医療会 ブレインケアクリニック 理事長
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