初めて行く病院やクリニックへの受診は「初診」と言います。そこで、通院するとなれば、「再診」になります。初診の場合の、料金設定や保険適用の場合など、メンタルクリニックへの受診からお会計までの流れをご紹介します。
どんな時にメンタルクリニックに行けばいいの?
4月を迎え、新年度で環境が変わった人もいると思います。ちょうど今くらいに体調不良やに陥る人も多く、「なんだか最近憂鬱な気分が続く」「ネガティブなことばかり考えてしまう」など、精神的に参ってしまう人はとても多いです。
そんな時は、精神科や心療内科などのメンタルクリニックに相談するのもひとつの手段です。
まずはクリニックを予約をしよう!
自宅の近くのクリニックを検索
「心療内科 〇〇(最寄りの駅名か土地名)」「精神科 〇〇(最寄りの駅名か土地名)」「気分が落ちる 〇〇(最寄りの駅名か土地名)」など、症状を入れてみるのもいいかもしれません。
事前予約
行くクリニックが決まったら、事前に予約を入れましょう。
メンタルクリニックは、完全予約制のところが多く、予約無しで行っても診てもらえない可能性があります。
公式サイトをよく見て、ネット予約か電話予約かなど調べ、しっかり確認して、予約を取りましょう。
※学校や職場の近くはオススメしません。もし、自宅休養になった場合、通いにくくなるからです。
予約をしたら問診に答えよう
メンタルクリニックには、予め問診に答えてもらい、事前に症状や家族歴、アレルギーなど、担当する医師に把握してもらいます。
来院時に問診を書く場合もありますので、各クリニックのやり方に沿いましょう。
予約当日は体調万全に
新しい場所や新しい人と会うための外出は、精神面でしんどいと思いますが、過度の飲酒や発熱などは診察が受けられない場合がありますので、注意が必要です。
服装に決まりはありませんが、身なりや生活状況も医師は診ています。極力いつも通りの恰好で行きましょう。
診察当日に必要なもの
本人名義の保険証
お薬手帳
他院で実施した血液検査などの検査結果があれば、医師の診断の補助になります。
来院~診察
受付のスタッフに、名前を名乗り、保険証を渡しましょう。他院で処方している処方薬があれば、お薬手帳も渡しましょう。
プライバシーの配慮から名前を呼ばないクリニックもあります。番号札などをもらったら、肌身離さず持ち、なくさないようにしましょう。初診の場合は、予約時間5分前に行くようにしましょう。心理検査や確認事項がある場合がありますので、余裕を持って行きましょう。もし、交通機関の遅延などで到着が遅れる場合は、クリニックに電話で伝えましょう。
診察
初対面の医師で緊張すると思いますが、医師は毎日何人もの患者の話を聞いています。自分の症状やその症状の思い当たる原因など、包み隠さず話しましょう。
もし、話したいけど言葉が詰まって出てこない場合は、前もってノートに書いてくると伝わりやすいです。
診察は一度きりではありません。初診で言えなかったことは次回の診察で伝えることも出来ます。
医師の診断
患者様から聞き取りした情報を基に、医師はDSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)などのガイドラインに従って、具体的な診断を行います。
診断が確定した後は、患者さんの状態に最適な治療プログラムをアドバイスします。これには薬物療法、カウンセリング、心理療法、場合によっては他の専門家との連携を含むことがあります。
さまざまな検査
SDS(自己評価抑うつ尺度)心理テスト
うつ病の症状をスクリーニングするために広く使用される自己報告式のツールです。このテストは、Zungによって開発されたもので、個人が抑うつ状態をどの程度経験しているかを評価します。
合計スコアが高いほど、抑うつ症状の重度が高いとされます。スコアは通常、50点満点で算出され、30点以上であればうつ病の可能性があると考えられます。ただし、このスコアは診断ツールではなく、診断には医師による詳細なアセスメントが必要です。
ミニ国際精神面接(MINI)
短時間で広範囲の精神障害をスクリーニングできる面接です。MINIは、DSM-IVやICD-10の診断基準に基づいており、様々な精神障害の存在を迅速にアセスメントします。
血液検査
精神的な症状と血液検査は無関係に見えますが、患者の精神症状の背景にある可能性のある身体的な原因を特定するために大切な検査のひとつです。そのモヤモヤとした気持ちは、内蔵の不調が原因なのかもしれません。
栄養不足の検出
ビタミンB12や鉄分の不足など、特定の栄養素の不足が精神状態に影響を及ぼす場合があります。
内分泌異常の評価
甲状腺機能障害などのホルモン異常は、うつ病や不安などの症状を引き起こすことがあります。
物質使用のスクリーニング
アルコールや薬物の使用が精神症状に影響を与えることがあるため、これらの物質の使用を検出します。
薬物の血中濃度の監視
特定の精神薬の効果や副作用を管理調整するために、その薬物の血中濃度を定期的に測定します。
これらの検査により、治療プログラムを適切に調整し、患者に最適なケアを提供するための重要な情報が得られます。注射が嫌いな人もいると思いますが、これをキッカケに大きな病気が見つかることもあるので、受けられる時に受けておいた方がいいです。
精神科の初診では、これらのステップを通じて患者さん一人一人に合わせた適切なサポートと治療を提供することが目標です。このプロセスは患者さんの協力が不可欠であり、開かれたコミュニケーションが非常に重要です。
診断書を書いてもらおう
初診後、医師の診断が確定したら、診断書の作成をお願いしましょう。
診断書のフォーマットや内容について医師やクリニックのスタッフと確認して作成します。
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- 診察日
- 診断をした日
- 傷病名
- 傷病内容
- 医師による評価と治療計画
- 活動制限や周囲の配慮提案、自宅療養、休学や休職の推奨
- 医師名
- クリニック名
「氏名、住所、生年月日、傷病名、傷病内容」など、しっかり診断書の内容を確認しましょう。
おつかれさまです!会計をしましょう
日本では、多くのメンタルクリニックが健康保険を適用しており、保険適用の場合、初診料は一般に数千円程度です。
ですが、保険適用外のサービスを選んだ場合や、特別な心理療法やカウンセリングを受ける場合は、費用が高くなることがあります。
また、保険適用であっても、診療内容によっては自己負担額が異なることがあります。
そのため、具体的な初診料金については、クリニックに問い合わせるか、クリニックの公式サイトを確認することが最も確実な方法となります。
初診料金に含まれる、主な内訳
- 初診料
- 治療費(カウンセリングや心理療法)
- 処方料
- 検査費
平日の18時以降や土日祝日なども料金設定が違います。
診断書が必要な場合は、2,000円~5,000円の自己負担になりますので注意してください。
次回の予約を取りましょう
メンタルクリニックはその性質上、一人ひとりの診療時間が長く、予約も取りにくくなっています。自分の希望通りの予約時間が確保できない場合があり、「後で取ればいいか」と、悠長に構えていると、処方薬が足りなくなってしまったりします。
処方薬の減り具合や、自身のメンタルと相談して、早めに次回の予約を事前に取っておきましょう。
初診では記入出来ない書類もある
傷病手当金給付申請書や障害年金などの申請書類の書類は、定期的な通院が必要になり、初診では記入出来ません。
医師やスタッフに、書類を書いて欲しい旨を伝え、判断を仰ぎましょう。
もしドタキャン、無断キャンセルしてしまったら
無断キャンセルを繰り返すと、その患者が信頼性に欠けると見なされることがあります。その結果、次回以降の予約が取りにくくなったり、クリニックから予約の受付を拒否される可能性もあります。
定期的な診察やカウンセリングは、精神健康の維持・改善に不可欠です。無断キャンセルにより予定されていた治療が受けられない場合、治療の進行に支障をきたすことがあります。特に、定期的な薬の調整や心理療法が必要な状態の患者にとっては、治療の中断が症状の悪化を招くことも考えられます。
無断キャンセル後、クリニックに連絡を取り、事情を説明して謝罪することが望ましいです。誠実な対応を示すことで、医療提供者との信頼関係を修復し、今後の治療に必要な協力を得やすくなります。
「キャンセルつもりはなかったけど、どうしても当日行きたくない」という人もいると思います。
事前に予約日時を再確認し、予定に変更がある場合はできるだけ早めにクリニックに連絡を入れることが大切です。
クリニックから予約をお断りされたら、学校や会社に提出する書類なども記入できなくなってしまい、困るのは自分なのです。
よくある質問
- Q.心療内科の初診料はどのくらいかかりますか?
-
初診料は通常3000円から1万円程度です。
- Q.心療内科の再診料はどれくらいかかりますか?
-
再診料は2000円から数千円程度です。
- Q.保険適用の診察費用はどのくらい負担する必要がありますか?
-
公的保険が適用される場合、診察費用の一部が保険でカバーされますが、自己負担額も発生します。