「人間関係リセット症候群」って聞いたことありますか?周りにそんな感じの人はいますか?もしかしたら自分がそうかもしれない、と思う人はどんな時にそのような行動に出てしまうか、きちんと自覚していきましょう。
リセット癖は病気ではない
人間関係リセット症候群は病気でも診断名でもありません。
突然、人との関係を切りたくなる、転職したくなる、引っ越したくなる、SNSのアカウントを消したくなる、など自身と他者のつながりを断ち切りたくなる衝動的な行動をいいます。
人間関係リセットは発達障害に多い
発達障害者の中には、リセット癖を持つ人がいる場合があります。
このリセット癖は、環境やルーティーンの変化に対する、大きな不安やストレスから生じることがあります。発達障害の特性を持つ人は、自分の置かれている状況がコントロールできなくなると、自身の保身や安心を求めて環境をリセットしようとする傾向があります。
これは、特に自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害に関連することがあります。
自閉症スペクトラムとは
ASDとも呼ばれ、コミュニケーションや社会的相互作用、興味や行動の範囲において特定の特徴を持つ状態です。ASDは、幅広いスペクトラムを持ち、個人差が大きいため、症状や程度はさまざまです。特定の興味やマイルールへの執着、コミュニケーションの困難、感覚過敏などが典型的な特徴として挙げられます。
注意欠如多動性障害とは
ADHDとも呼ばれ、注意力や衝動の制御、活動レベルの調節に問題がある神経発達障害です。主な特徴には、注意散漫、多動性、衝動性の高さがあります。ADHDの特性は、日常生活や学業、社会的関係に影響を与えることがあります。
リセット癖がある発達障害者にとって、予測可能性や安定性を提供することが大切です。環境の予測可能性を高め、ストレスの少ない空間作りをすることが含まれます。また、適切なサポートやそれぞれに合った指導を通じて、特性を持った人が自身の置かれている状況をコントロールできるスキルを身につけることも大事です。リセット癖を持つ発達障害者にとって、それぞれの特性に合ったサポートが大切です。
発達障害以外のメンタル疾患との関連
人間関係リセット症候群は、発達障害だけでなく、他の精神疾患が関係して引き起こされるケースも少なくありません。特に感情の不安定さや過度な不安が、人間関係を断ち切るきっかけになることがあります。
ご自身の心の状態を客観的に見つめ直すためにも、どのような疾患が関連しているのかを知っておくことが大切です。
うつ病による過度な罪悪感
うつ病は、強い気分の落ち込みや意欲の低下を引き起こす精神疾患です。うつ病になると、「周りに迷惑をかけているのではないか」「自分なんていない方が良い」といった過度な罪悪感を抱きやすくなります。
このような自己否定の感情が強まることで、周囲とのコミュニケーションを避けるようになり、結果として人間関係を突然リセットしてしまうことがあります。相手から嫌われたわけではなく、自責の念から関係を絶ってしまうのが特徴です。
境界性パーソナリティ障害による見捨てられ不安
境界性パーソナリティ障害は、感情や対人関係が極端に不安定になりやすい特徴を持っています。この疾患の根底には、「相手から見捨てられるのではないか」という強い恐怖心(見捨てられ不安)があります。
そのため、相手と仲良くなっても常に不安を抱えており、少しでも相手の態度が冷たいと感じたりトラブルが起きたりすると、「見捨てられて傷つく前に、自分から離れよう」と防衛本能が働き、衝動的に関係を断ち切ってしまいます。
人間関係リセット症候群の特徴5つ
過去のトラウマや不安がよぎる
この症候群は、過去の人間関係や社会的経験に関連するトラウマや不安から生じる困難を特徴とします。
新しい人間関係への抵抗感
過去の経験から、新しい人間関係の構築に対する抵抗感が強く現れることがあります。
社会的な疎外感
周囲との社会的接触が難しくなり、孤立感や疎外感を感じることがあります。
リセット癖が続く
過去のトラウマや不安により、対人関係のパターンが繰り返され、時折リセットを試みてしまいます。
社会的不安やストレスの増加
新しい人間関係を築くことへの不安やストレスが増加し、日常生活に支障が出ることがあります。
これらの5つの特徴は、一般的な人間関係リセット症候群の特徴に過ぎません。
それぞれが歩んできた経験や自身を取り巻く状況によって異なる場合があります。
人間関係リセット症候群になりやすい人の思考の癖
人間関係をすぐに断ち切ってしまう人には、物事の捉え方や考え方に特定の偏りが見られることが多いです。
ここでは、人間関係リセット症候群を引き起こしやすい思考の癖について詳しく解説します。自分に当てはまるものがないか振り返ってみましょう。
0か100かで判断する極端な思考
物事を「好きか嫌いか」「良いか悪いか」のどちらかだけで判断しようとする完璧主義の傾向があると、人間関係のトラブルを抱えやすくなります。このような極端な思考を持つ人は、「嫌いだけど付き合いはある」という曖昧な状態に耐えることができません。
そのため、相手に対して少しでも不満を感じたり意見が合わなかったりすると、関係を修復するのではなく「完全に縁を切る」という極端な選択をしてしまいます。白黒はっきりさせたいという思いが、リセット癖につながります。
他人の目を気にしすぎる他人軸の考え方
常に「相手からどう思われているか」を基準にして行動する「他人軸」の考え方も、リセット癖の大きな原因になります。他人に嫌われることを恐れるあまり、自分の本音を言えずに相手に合わせてばかりいると、心に大きなストレスが蓄積していきます。
自分を取り繕うことに疲れ果ててしまうと、ある日突然その我慢が限界に達し、周囲との関係をすべて断ち切ってしまいたくなります。自分軸を持たず、他人の評価に振り回されることで心が消耗してしまうのです。
友だちが突然いなくなった
連絡しても無視、つながっていたSNSにもいない、電話番号も家も知らない、なんて事がこの時代よくあり、ネット上だけの関係も多いと思います。
いなくなってからでは遅い
人間関係リセット症候群は、その人が関わる生活状況や自身のニーズを理解し、サポートすることが大切です。過去のトラウマや不安について話し合ったり、新しい人間関係の構築に向けて、共に取り組んだりすることでサポートすることができます。
理解と忍耐を持って接し、その人が自分のペースで対人関係を再構築できるよう、気持ちに寄り添ってあげましょう。
愛情とサポート力がある友人やパートナーは、人間関係リセット症候群を抱える人たちにとって、とても大きな支えとなります。
リセットしたくなった時の対処法
ストレス管理技術の習得
ストレス管理スキルを学ぶことで、リセット癖を減らすことができます。深呼吸やマインドフルネス、リラクゼーションスキルなど、ストレスを軽減するために、自身に合った対処法を身につけましょう。
予測可能な環境の作成
日常生活や仕事環境を予測可能で安心安定したものにすることで、リセットの必要性を減らすことができます。定期的なルーティーンやスケジュールを作成し、予測可能性を高めることが大切です。
問題解決と対処策を練る
リセットが発生する自身のトリガーを特定して自覚し、それらに対処するための戦略を練りましょう。自身を客観的に見てみたり、カウンセリングを通じて、リセット癖の背景にある原因を理解し、それに対処する方法を見つけることが必要です。
コミュニケーションの向上
リセットが起こる前に、感情やストレスを適切に表現し、他者にサポートを求めることが大切です。信頼できる友人や家族、パートナーとの円滑なコミュニケーションを通じて、自分の感情やニーズを打ち明け、理解してもらいましょう。
専門家のアドバイスやサポート
発達障害の特性やメンタルヘルスの状況に応じて、専門家による心理療法やカウンセリングを受けることもできます。専門家と一緒に、リセット癖に関連する問題を理解し、効果的な対処プログラムを学びましょう。
心理療法士、精神保健カウンセラー、臨床心理士、または精神科医などの専門家に相談することが役立ちます。
これらの対処法を組み合わせることで、人間関係リセット症候群を管理しやすくなり、より健康的な対人関係を築くことができます。
SNSと適度な距離を置く
スマートフォンの普及により、SNSのボタンひとつで簡単に関係を断ち切れるようになったことも、リセット癖を助長する要因です。衝動的にアカウントを削除したり、連絡先をブロックしたりしたくなったときは、一度立ち止まることが大切です。
完全に消去するのではなく、「アプリの通知をオフにする」「SNSを見ない日を作る」など、一時的に距離を置く方法を試してみてください。感情が高ぶっているときは決断を先送りし、心が落ち着くのを待つことが重要です。
嫌いな人とも「ゆるく」繋がる
人間関係のストレスを感じたとき、すべての人と仲良くしようと無理をする必要はありません。しかし、嫌いになったからといって完全に縁を切るのではなく、「知り合い以上、友達未満」という曖昧な関係のままやり過ごすスキルを身につけることも大切です。
適度な距離感を保ちながら「ゆるく」繋がっておくことで、以下のようにより良い効果が生まれます。
- 極端な行動に走るのを防げる
- 曖昧な状態に慣れることができる
- 人間関係のストレスに対する耐性がつく
少しずつ曖昧な状態に慣れていくことで、結果的に衝動的なリセットを減らすことにつながります。
まとめ
ASDやADHDの特性が、新しい人間関係の構築や社会的相互作用において困難をもたらし、それがリセット症候群の発現につながる場合があります。
それぞれ異なるところと、一部関連するところもあり、そのため、これらの問題が起きた場合、さまざまな対処法があります。
まずは、インターネットや専門書などで情報を集め、周りの意見も聞いてみましょう。
どうしてリセットしたくなるのか?リセットしてしまったのか?
自分だけでは分からない場合は、専門家への相談が大切です。
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よくある質問
- Q.人間関係リセット症候群とは何ですか?
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人間関係リセット症候群は、突然人との関係を断ち切りたくなる衝動的な行動を指します。病気や診断名ではありません。
- Q.人間関係リセット症候群はどのような特徴がありますか?
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過去のトラウマや不安がよぎり、新しい人間関係への抵抗感、社会的な疎外感、繰り返されるリセット行動、社会的不安やストレスの増加などがあります。
- Q.リセット癖を持つ発達障害者へのサポート方法は?
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予測可能な環境を作り、ストレス管理技術を教え、コミュニケーションを向上させ、専門家のアドバイスを受けることが有効です。



