心療内科・精神科 渋谷区恵比寿の心療内科・精神科|ハロスキンクリニック恵比寿院 精神科・心療内科 コラム

注意欠如・多動性障害(ADHD)の全貌:症状、困りごと、そして適切な接し方

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注意欠陥・多動性障害(ADHD)とは

注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、発達障害の一つであり、注意力の欠如、多動性、そして衝動性の三つの主要な特徴を持つ疾患です。ADHDは子供だけでなく大人にも見られ、大人のADHDは仕事や日常生活においてさまざまな困難を引き起こします。

ADHDの症状は、注意欠如、多動性、衝動性に分類されます。注意欠如の症状には、不注意による物忘れや集中力の欠如が含まれます。多動性は、落ち着きがなく常に動いている状態を指し、衝動性は、考えずに行動してしまうことです。子供においては、これらの症状が学校や家庭で問題を引き起こすことが多く、大人になると仕事や社会生活に支障をきたします。

ADHDはしばしば他の精神疾患と併存します。特にうつ病や不安障害は、ADHDと一緒に見られることが多いです。ADHDと他の疾患の違いを理解することは、適切な治療を行うために重要です。例えば、うつ病は気分の低下や興味の喪失を主な症状とするのに対し、ADHDは主に注意力や衝動性に関連する問題です。

ADHDの原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因や脳の構造・機能の違いが関与していると考えられています。ADHDの人々の脳は、特定の神経伝達物質のバランスが異なることが示されています。これにより、注意力の維持や衝動の抑制が難しくなります。

治療方法としては、薬物療法と行動療法が一般的です。薬物療法では、神経伝達物質のバランスを整える薬が使用され、行動療法では、日常生活の中での対策を学びます。これらの治療は、症状の改善に大きな効果がありますが、完全に治すことは難しいとされています。

大人のADHDとは

大人のADHDは、子供の頃から症状が続いている場合と、成人してから明らかになる場合があります。大人のADHDは、仕事や人間関係において特に困難を伴います。これらの問題は、診断が遅れることでさらに悪化することが多いです。

大人のADHDの主な症状には、不注意、衝動性、多動性があります。不注意は、物忘れや集中力の欠如として現れ、特に長時間の集中が求められる仕事や日常生活の場面で問題となります。不注意による運転ミスや、重要な約束を忘れることも頻繁に起こります。衝動性は、計画性のない行動や感情の爆発として現れ、多動性は、じっとしていられない、常に何かをしていないと落ち着かない状態を指します。

大人のADHDの診断は、子供の頃の症状が現在も続いているか、成人してから新たに発症したかを確認することが重要です。診断基準には、持続的な不注意、多動性、衝動性が含まれます。診断は専門の医師による評価が必要であり、自己診断やインターネットのチェックリストだけでは不十分です。

大人のADHD治療には、薬物療法と行動療法が用いられます。薬物療法では、注意力を向上させる薬や衝動性を抑える薬が処方されます。行動療法では、時間管理やストレス対策など、具体的な対策を学びます。これにより、仕事や日常生活での困難を軽減することが可能です。

ADHDを持つ大人は、自己理解と自己管理が重要です。自分の症状を理解し、対策を講じることで、生活の質を向上させることができます。支援グループやカウンセリングも有効なサポート手段となります。また、周囲の理解と協力も不可欠であり、家族や同僚のサポートを受けることが推奨されます。

ADHDの主な症状例

ADHDの主な症状は、不注意、多動性、衝動性に分けられます。これらの症状は、子供から大人まで一貫して見られるものであり、個人によってその現れ方には違いがあります。

不注意の症状には、以下のようなものがあります

  • 集中力が続かない
  • 忘れ物が多い
  • 細かい指示を無視する
  • 注意が散漫になりやすい
  • 計画を立てたり、順序立てて物事を進めるのが苦手

多動性の症状は以下の通りです

  • 落ち着きがない
  • 座っているべき場面で動き回る
  • 静かに遊ぶことができない
  • 常に身体を動かしている
  • 過度におしゃべりする

衝動性の症状には、以下が含まれます

  • 考えずに行動する
  • 順番を待つのが難しい
  • 他人の話を遮る
  • 感情を爆発させやすい
  • 突発的に行動してしまう

大人の場合、これらの症状は仕事や日常生活に深刻な影響を与えます。不注意による物忘れや約束を忘れることが、仕事のパフォーマンスに悪影響を及ぼします。多動性は、会議中にじっとしていられなかったり、職場での落ち着きのなさとして現れることがあります。衝動性は、計画性のない行動や感情の爆発として、職場や人間関係に問題を引き起こすことがあります。

ADHDの症状は個人差が大きく、全ての症状が全ての人に見られるわけではありません。そのため、専門の医師による詳細な診断と評価が必要です。ADHDの診断には、詳細なヒストリーの聴取とともに、心理テストや行動観察が行われます。

大人のADHD症状チェックリスト

大人のADHD症状チェックリストは、自己診断の一助となるものです。以下の項目に複数該当する場合は、専門医に相談することをお勧めします

  1. 重要な会議や締め切りを忘れることが多い
  2. 計画を立てるのが苦手で、順序立てて物事を進めるのが難しい
  3. 長時間集中することができず、すぐに注意が散漫になる
  4. 職場での作業を最後までやり遂げるのが難しい
  5. 頻繁に物をなくしたり、忘れ物が多い
  6. 周囲の音や動きに気が散りやすい
  7. 座っているべき場面で立ち上がりたくなる
  8. 過度におしゃべりしてしまい、他人の話を遮ることがある
  9. 感情のコントロールが難しく、怒りやイライラを爆発させやすい
  10. 衝動的に買い物をしたり、計画性のない行動をとることが多い

これらの症状は、単なる性格や習慣の問題ではなく、ADHDの一部である可能性があります。チェックリストを通じて、自分自身の行動や思考のパターンを見つめ直し、必要ならば専門医の診断を受けることが重要です。

大人のADHDの診断は、専門医による詳細な評価が必要です。自己診断に基づくチェックリストはあくまで参考であり、正式な診断を得るためには医師の診察が不可欠です。医師は、過去の行動パターンや現在の症状、家族の病歴などを基に総合的に評価します。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)の原因

注意欠陥・多動性障害(ADHD)の原因は、まだ完全には解明されていませんが、遺伝的要因と環境的要因の両方が関与していると考えられています。

遺伝的要因として、ADHDは家族内で発症する傾向が強く、親や兄弟にADHDの人がいる場合、その子供もADHDを発症するリスクが高いとされています。これにより、遺伝子がADHDの発症に重要な役割を果たしていることが示唆されています。

脳の構造や機能の違いもADHDの原因とされています。特に、前頭前皮質という脳の部分が、ADHDの人々では正常に機能していないことが多いです。前頭前皮質は、注意力や計画性、衝動の抑制に関与しており、この部分の異常がADHDの症状を引き起こすと考えられています。また、ドーパミンやノルエピネフリンといった神経伝達物質のバランスの乱れも、ADHDの発症に関与しています。

環境的要因も無視できません。例えば、妊娠中の母親の喫煙やアルコール摂取、出生時の低体重、早産などがADHDのリスクを高めるとされています。また、幼少期の家庭環境やストレス、養育方法もADHDの発症に影響を与える可能性があります。

ADHDの原因を理解することは、効果的な治療法を見つけるために重要です。遺伝的要因や脳の機能異常に対する薬物療法や、環境的要因に対する行動療法など、さまざまなアプローチが必要です。

治療方法

ADHDの治療方法は、薬物療法と行動療法の二つに大きく分けられます。これらの治療法は、症状の軽減と生活の質の向上を目指しています。

薬物療法では、主に中枢神経刺激薬と非刺激薬が使用されます。中枢神経刺激薬は、ドーパミンやノルエピネフリンの働きを改善し、注意力を向上させる効果があります。代表的な薬には、メチルフェニデートやアンフェタミン製剤があります。非刺激薬には、アトモキセチンがあり、こちらも神経伝達物質のバランスを整えることで症状を軽減します。

行動療法は、日常生活での対策を学ぶ治療法です。時間管理やスケジュールの立て方、ストレス対策など、具体的な技術を学びます。特に、仕事や学校でのパフォーマンス向上に役立つテクニックを身につけることが重要です。また、認知行動療法(CBT)も効果的であり、否定的な思考パターンを修正し、より建設的な行動を促すことができます。

これらの治療法を組み合わせることで、ADHDの症状を効果的に管理することが可能です。薬物療法と行動療法を併用することで、症状の改善と生活の質の向上が期待できます。また、治療の効果を高めるためには、生活習慣の改善も重要です。規則正しい生活や適度な運動、バランスの取れた食事などが、ADHDの管理に役立ちます。

ADHDの診断方法

ADHDの診断方法は、詳細なヒストリーの聴取と心理テスト、行動観察などを通じて行われます。特に、大人のADHD診断は複雑であり、過去の行動パターンや現在の症状を総合的に評価する必要があります。

ADHDの診断基準は?

ADHDの診断基準は、国際的な診断マニュアルであるDSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)に基づいています。DSM-5では、ADHDの診断基準として、不注意、多動性、衝動性の三つの主要なカテゴリーに分類される症状を詳細に規定しています。

注意欠如 診断のプロセス

注意欠如の診断プロセスは、詳細なヒストリーの聴取と行動観察、心理テストを含む多面的な評価を通じて行われます。診断の第一歩は、医師との詳細な面談です。医師は、患者の過去の行動や現在の症状について詳しく尋ねます。家族や友人からの情報も重要な手がかりとなります。

心理テストは、注意力や記憶力、計画性などの認知機能を評価するために使用されます。これらのテストは、ADHDの特徴を客観的に測定するための重要な手段です。自己報告によるアンケートやチェックリストも使用され、日常生活における困難や症状の程度を把握します。

行動観察も重要です。医師は、患者の行動や態度を観察し、ADHDの特徴的な行動パターンを確認します。これにより、診断の信頼性が向上します。

診断のプロセスは、単なるチェックリストや自己診断だけでは不十分です。専門の医師による総合的な評価が必要であり、正確な診断を得るためには、詳細なヒストリーの聴取や心理テスト、行動観察が不可欠です。

ADHDの治療法

ADHDの治療法は、薬物療法と行動療法の二つに大きく分けられます。これらの治療法は、症状の軽減と生活の質の向上を目指しています。

薬物療法の種類と効果

ADHDの薬物療法には、主に中枢神経刺激薬と非刺激薬の二種類があります。これらの薬は、神経伝達物質のバランスを整え、症状を軽減する効果があります。

中枢神経刺激薬は、ドーパミンやノルエピネフリンの働きを改善し、注意力を向上させる効果があります。代表的な中枢神経刺激薬には、メチルフェニデート(リタリン)やアンフェタミン製剤(アデロール)があります。これらの薬は、速効性があり、服用後すぐに効果が現れることが多いです。しかし、副作用として、食欲不振や不眠、心拍数の増加などが報告されています。

行動療法とその実践方法

ADHDの行動療法は、日常生活での対策を学び、症状を管理するための具体的な技術を提供します。行動療法は、薬物療法と組み合わせることで、症状の改善と生活の質の向上に大きく寄与します。

行動療法の一つとして、時間管理が挙げられます。ADHDの人々は、時間の管理が苦手であることが多いため、スケジュールを立てることが重要です。例えば、日々のタスクをリスト化し、優先順位をつけることで、効率的に仕事や学業を進めることができます。また、タイマーを使用して、集中する時間と休憩する時間を明確にすることも効果的です。

もう一つの行動療法は、環境の整備です。作業環境を整えることで、注意力の散漫を防ぐことができます。具体的には、整理整頓を徹底し、作業に必要なものだけを手元に置くようにすることが推奨されます。また、静かな場所で作業することや、周囲の音を遮断するために耳栓を使用することも効果的です。

ストレス管理も重要な行動療法の一環です。ADHDの人々は、ストレスに対する耐性が低いことが多いため、リラクゼーション技術を学ぶことが有益です。例えば、深呼吸や瞑想、軽い運動などがストレスの軽減に役立ちます。また、定期的なカウンセリングを受けることで、精神的なサポートを得ることができます。

認知行動療法(CBT)は、否定的な思考パターンを修正し、より建設的な行動を促す治療法です。CBTでは、自己評価を改善し、肯定的な自己イメージを築くことを目指します。これにより、ADHDの症状による自己否定やストレスを軽減することが可能です。

行動療法は、日常生活に取り入れることで、ADHDの症状を効果的に管理し、生活の質を向上させる手段です。専門のカウンセラーやセラピストの指導のもとで、具体的な対策を学び、実践することが重要です。

治療の効果を高める生活習慣の改善

ADHDの治療の効果を高めるためには、生活習慣の改善が重要です。薬物療法や行動療法に加えて、日常生活における健康的な習慣を取り入れることで、症状の管理がより効果的になります。

まず、規則正しい睡眠が不可欠です。十分な睡眠は、注意力や集中力の向上に大きく寄与します。ADHDの人々は、睡眠の質が低いことが多いため、定期的な睡眠スケジュールを守ることが重要です。毎日同じ時間に寝起きし、寝る前のリラックスルーチンを確立することで、睡眠の質を改善できます。

バランスの取れた食事も重要です。栄養豊富な食事は、脳の機能をサポートし、注意力や集中力の向上に寄与します。特に、オメガ-3脂肪酸やプロテイン、ビタミン・ミネラルを含む食品を積極的に摂取することが推奨されます。また、過剰な砂糖やカフェインの摂取は避け、血糖値の安定を図ることも重要です。

定期的な運動は、ストレスの軽減や注意力の向上に効果的です。軽い有酸素運動や筋力トレーニングは、脳の神経伝達物質のバランスを整え、ADHDの症状を軽減する効果があります。毎日の生活に運動を取り入れ、体を動かす習慣を作ることが推奨されます。

ストレス管理も生活習慣の一部として重要です。ストレスはADHDの症状を悪化させるため、リラクゼーション技術を学ぶことが有益です。深呼吸や瞑想、ヨガなどのリラクゼーション法を日常的に実践することで、ストレスを効果的に管理できます。

生活習慣の改善は、ADHDの治療をサポートし、症状の管理をより効果的にするための重要な要素です。健康的な生活習慣を取り入れることで、ADHDの症状を軽減し、生活の質を向上させることができます。専門の医師やカウンセラーの指導のもとで、適切な生活習慣を確立しましょう。




まとめ

注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、子供から大人まで幅広い年齢層に影響を及ぼす発達障害です。ADHDは、注意力の欠如、多動性、衝動性の三つの主要な特徴を持ち、これらの症状が日常生活や仕事において多くの困難を引き起こします。特に大人のADHDは、診断が遅れることが多く、仕事や人間関係における問題が深刻化することがあります。

ADHDの主な症状には、不注意による物忘れや集中力の欠如、多動性による落ち着きのなさ、衝動性による計画性のない行動などがあります。これらの症状は個人差が大きく、全ての人に同じように現れるわけではありません。そのため、専門の医師による詳細な診断と評価が必要です。



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監修医師

草薙威史 先生

草薙威史 先生

経歴
  • 山形大学医学部 卒
  • 二本松会山形病院
  • 飯沼病院
  • 星ヶ丘病院
  • さとうメンタルクリニック
  • 新宿溝口クリニック
  • ナチュラルアートクリニック
  • 新宿廣瀬OPクリニック
  • ひめのともみクリニック
  • 三田こころの健康クリニック新宿
  • 医療法人社団TLC医療会 ブレインケアクリニック 理事長
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