そもそもADHDって何?
ADHDの正式名称は「注意欠陥・多動性障害」と言い、多動性や衝動性、不注意を主な症状とする神経発達症の一種です。子どもの約3〜7%、成人で2.5%が該当し、特に男の子に多いとされていますが、成人になると男女比はほぼ等しくなります。
集中力の維持が困難であったり、落ち着きがなかったり、衝動的な行動を取ってしまう特性を持つ、発達障害の一つです。
ADHD(注意欠如・多動性障害)があると、恋愛できない」と思い込み、落ち込む方も少なくはありません。 日常生活や学校、仕事などさまざまな場面で支障をきたすことがあります。この障害の治療には、心理社会的治療と薬物療法があり、個々の状況に合わせた支援が行われます。
ADHDの恋愛傾向4選
ADHDを持つ人との恋愛には、その特性が影響を与えることがあります。
「衝動性」
「一途になりすぎる」
「パートナーの感情を理解するのが難しい」
「恋愛における自立」
上記の点が特に挙げられます。
しかし、これらの特性がすべてマイナスになるのではなく、適切な理解と対処によって幸せな関係を築くことも可能です。
衝動性
衝動性は、恋愛において自分の気持ちに正直に行動できる利点をもたらす一方で、深く考えず発言するなど突発的な言動がパートナーとの関係に亀裂を入れるリスクもあります。そのため、自己制御の工夫やパートナーとのコミュニケーションが重要となります 。
一途になりすぎる傾向
ADHDを持つ人は、一途になりすぎてしまい、恋愛関係においてパートナーに負担をかける原因となることもあります。
ADHDの人はストレートな感情表現で相手の気持ちを考えない言動をして誤解を与えることがあります。
独特の行動や感情の表現を理解し、それを受け入れ尊重し合い理解を深めることが、健全な恋愛関係を築くことが出来るでしょう。
パートナーの感情の理解
パートナーの気持ちを読み取るのが難しい場合、直接的なコミュニケーションを心掛け、自分自身の感情をストレスなく表現することがキーとなります。特性を理解し、伝えることで、お互いの理解の向上が見込めます。
恋愛における自立
恋愛やパートナーに過度に依存することなく、自立した関係を築くことの大切さも指摘されています。一時的な衝動に流されず、将来を見据えた行動が求められます。また、特性を理解し、お互いがセルフマネージメントすることで、より良い恋愛関係を築くことができます。
ADHDを持つ人々は、恋愛においても独自の課題に直面しますが、それぞれの特性を理解し、適切に対処することで、幸せで充実した関係を築くことが可能です。重要なのは、自分自身とパートナー双方の特性を理解し、尊重することです。
ADHDがやりがちな恋愛NGパターン
恋愛至上主義
上でも書いていますが、ADHDの人は、恋愛にのめり込み、仕事や友だちそっちのけになることがあります。「頻繁に連絡を入れる」「思い込みが激しい」相手を束縛したり、報連相を強要したり、相手のことを考えられない行動が増えます。
ダメ男ホイホイ・ダメ男製造機
パートナーをATMだと思って利用するような相手や、DVやモラハラをするなど、
普通に考えたら付き合ってはいけないような相手と付き合ってしまう場合があります。
周りからみれば、「なんであんな人と付き合っているの?大丈夫かな」と思われるような相手でも、「嫌われたらどうしよう」という不安が強く、相手に尽くすことでその不安を和らげようとするためです。しかし、一方的に尽くし続けることは両者にとって健全な関係を築く上で望ましくありません。
相手の気持ちは無視?KY女
ADHDの衝動性は、恋愛において素直に自己の感情に従い、大胆なアプローチができるというメリットをもたらすことがあります。しかし、その一方で、相手を不快にさせるような場面を凍り付かせる発言や、相手への感情や要求を抑えきれずにストレートに表現し過ぎてしまうことがあり、これらの行動がパートナーとの不和を引き起こす可能性があります。
ADHDのパートナーと上手くやっていくためには
ADHDを持つ人にとっても、恋愛や結婚は十分に楽しめるものです。日常から抜け出した新鮮なデートを楽しむ傾向があります。また、リードすることやストレートな愛情表現も得意で、これらは恋愛において魅力的なエッセンスになります。
不安な要素をポジティブに捉えることも、恋愛関係において役立ちます。挑戦を恐れずに進む勇敢な心、興味のあることに深く没頭できる一途さ、独創的なアイデアを持つことなどは、恋愛を豊かにする素晴らしい特質です 。
これらの特性は、恋愛関係においてもパートナーに好きな気持ちを伝えたり、パートナーとの共通の趣味で深い結び付きを持つなど、関係を良好にする可能性を秘めています。
とりあえず聞き役
ADHDの人は、その時感じたこと、自分の好きなこと、所かまわずストレートにぶつけてきます。これが良いところでもあり、悪いところでもあると思います。
まれにマシンガントークを繰り広げることがありますが、満足するまで止まることが出来ません。これは、あなたに伝えたい、気持ちを共有したいという気持ちの表れです。
途中で、口をはさんだり、聞いてなかったりすると、話したかったことがわからなくなったり、感情が迷子になり、混乱してしまいます。
一旦、すべて聞いてあげ、相槌を打つだけなど、聞き役に徹してあげると会話は上手くいくでしょう。
程よい距離感
今までの記事を読むと分かりますが、100%分かり合うことは、自分もパートナーも多大な負担になってしまいます。ADHDを理解しノンストレスで過ごすことは、家族でも難しいことです。
特性だと分かっていても、時間間隔やお互いの価値観など、自分と違いイライラしてしまうこともあると思います。あなただけじゃなく、ADHDの人もどうしていいか分からないことで、今までずっと悩んでいます。
きちんと向き合うことも大切ですが、たまには自分のメンタルを優先してもいいんじゃないでしょうか?お互いが心地いい距離を探しましょう。
無理はせず専門家に相談
ADHDを持つ人との恋愛は、理解と忍耐が必要になることもあります。愛情表現の方法や衝動的な感情の扱い方において、お互いが傷つけないように工夫することが重要です。関係を維持するため、時には一緒に専門的なカウンセリングやサポートに頼ることも重要です。
予想外の出来事に直面することもありますが、ADHDの特性や得意不得意を理解し、適切に対応することで、良好な関係を維持することが可能です。
ADHDの子どもの恋愛と思春期の悩み
ADHDの子どもが思春期を迎えると、恋愛に関する悩みが増えてきます。一般的な思春期の子どもと同じように恋愛に興味を持ち始めますが、ADHD特有の特性によって戸惑うことも少なくありません。例えば、感情のコントロールが難しく、好きな人に対して衝動的に行動してしまうことがあります。また、相手の気持ちを読み取るのが苦手なため、距離感を間違えてしまうこともあります。 さらに、ADHDの子どもは自己肯定感が低くなりやすく、「自分は恋愛に向いていないのでは?」と悩むこともあります。恋愛においては、相手の気持ちを考えたり、関係を維持したりするスキルが求められますが、これが苦手なために「どうしたらいいのかわからない」と感じることが多いのです。その結果、恋愛に対して消極的になったり、逆に好意をうまく伝えられなかったりすることがあります。 親や周囲の大人ができるサポートとしては、まず子どもの気持ちを受け止めることが大切です。「どうしたらいいのかわからない」と悩んでいるときに、一方的にアドバイスをするのではなく、一緒に考える姿勢を持つことで、子どもは安心できます。また、相手の気持ちを考える練習として、日常生活の中で人との関わり方について話し合うのも有効です。 思春期の恋愛は、誰にとっても戸惑うことが多いものです。ADHDの子どもにとっては特に難しく感じるかもしれませんが、適切なサポートがあれば、恋愛を通じて自己理解を深め、人間関係のスキルを身につけることができます。
発達障害(ADHD・ASD)大人の男性、女性の好きな人への態度
発達障害には、ADHD(注意欠如・多動性障害)やASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)などが含まれます。これらの特性を持つ大人の男性や女性は、恋愛において独自の態度や行動パターンを示すことがあります。以下に、性別ごとの特徴や共通する傾向について詳しく解説します。
ADHDの男性の恋愛における態度
多動性・衝動性の影響 ADHDの男性は、多動性や衝動性が強く現れる傾向があります。そのため、好きな人に対して積極的かつ情熱的にアプローチすることが多いです。しかし、衝動的な言動が相手に負担をかける場合もあるため、注意が必要です。 注意力の分散 興味の対象が次々と変わりやすく、恋愛においても一途さが欠けていると誤解されることがあります。実際には、本人は真剣であっても、注意力の分散が原因で相手に不安を与えてしまうことがあります。
ADHDの女性の恋愛における態度
不注意の特徴 ADHDの女性は、不注意の特徴が強く出る傾向があります。そのため、デートの約束を忘れてしまったり、重要な日をうっかり見過ごしてしまうことがあります。これが原因で、相手に対して無関心だと思われることもあります。 天然と捉えられる行動 うっかりミスや独特の感性が「天然」と見られ、周囲から可愛らしいと評価されることがあります。しかし、この特性が悪質な人に狙われるリスクもあるため、自己防衛の意識を持つことが重要です。
ASDの男性の恋愛における態度
コミュニケーションの難しさ ASDの男性は、相手の感情や意図を読み取ることが苦手で、好きな人に対しても適切なアプローチができないことがあります。その結果、好意が伝わらず、誤解を招くことがあります。 一方的な興味の押し付け 自分の興味関心に集中しやすく、相手の興味を考慮せずに話し続けてしまうことがあります。これにより、相手に「自分に興味がないのでは」と感じさせてしまうことがあります。
ASDの女性の恋愛における態度
対人関係の受け身 ASDの女性は、対人関係において受け身であることが多く、自分からアプローチすることが難しいと感じることがあります。そのため、好意を持っていても相手に伝わらず、恋愛が進展しにくいことがあります。 感情表現の難しさ 感情を表現することが苦手で、好きな人に対しても冷たい印象を与えてしまうことがあります。これが原因で、相手に誤解されることがあります。
共通する傾向と対策
自己理解と情報共有 自分の特性を理解し、パートナーに伝えることで、お互いの理解が深まります。例えば、忘れっぽい特性がある場合、リマインダーを活用していることを伝えると、相手も配慮しやすくなります。 コミュニケーションの工夫 具体的で明確な言葉を選び、相手の気持ちにも配慮することが大切です。また、相手の話をしっかりと聞く姿勢を持つことで、信頼関係を築くことができます。 恋愛は相手の気持ちを考える、人間関係を学ぶいい機会でもあります。自分の思い通りにいかないことを知り、失敗して傷ついてもそれで成長することが出来ます。
ADHDの人の恋愛とドーパミンの関係
ADHDの人は恋愛において強い情熱を持ちやすく、感情の浮き沈みが激しくなることがあります。その背景には脳内のドーパミンの働きが大きく関係しています。 ドーパミンは「快楽」や「報酬」に関わる神経伝達物質で、恋愛初期の高揚感やワクワクする気持ちを生み出します。しかし、ADHDの人はもともとドーパミンの分泌や受容に特徴があり、刺激を強く求める傾向があります。そのため、恋愛初期には強く相手に惹かれ、夢中になることが多いのです。 しかし、時間が経ちドーパミンの分泌が落ち着くと、刺激が減少し、関係に対する関心が薄れやすくなることがあります。これにより、急に気持ちが冷めたり、新たな刺激を求めてしまうことも。また、感情のコントロールが難しく、衝動的な行動をとってしまうこともあります。 この特性を理解し、安定した関係を築くためには、恋愛におけるドーパミンの影響を意識することが重要です。適度に新しい刺激を取り入れたり、相手とのコミュニケーションを大切にすることで、長続きする関係を築くことができます。
まとめ
ADHDの人には、マイナスなイメージばかりではなく、他人を惹きつける独特の魅力を持ち合わせており、恋愛でうまくいくことも多くあります。特性による行動が周囲に振り回されることがあっても、その自由奔放な性格が人を惹きつけ、恋愛においてもポジティブな影響を与えることで健康な恋愛関係を築くことが出来るでしょう。
自身の不注意によるパートナーとの誤解、多動性による落ち着かない印象、衝動性による無計画な行動が恋愛関係に影響を及ぼすこともありますが、これらの特性すべてがマイナスに作用するわけでもありません。情熱的でアイデア豊かな行動、独特の感性を持つなど、多くの魅力もあります。ADHDの特性を理解し、長所を生かすことが恋愛や結婚生活において重要です 。パートナーの特性を理解し、受け入れることで、お互いにとって健康で幸せな関係を築くことができるでしょう。
よくある質問
- Q.ADHDを持つ人が恋愛で直面する特有の課題は?
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ADHDの人は、衝動性や一途になりすぎる傾向、パートナーの感情を理解する難しさ、恋愛における自立の問題などに直面しがちです。これらの特性が関係に影響を与えるため、適切な理解と対処が重要です。
- Q.ADHDの人がやりがちな恋愛におけるNG行動は?
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恋愛至上主義に陥り、仕事や友人を無視する、ダメ男やDVパートナーと付き合う、相手の気持ちを考えない発言をするなどがあります。これらの行動は関係に悪影響を与えるため注意が必要です。
- Q.ADHDを持つパートナーとの関係を良好に保つためには?
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パートナーの話をしっかり聞き、適度な距離感を保ち、無理をせず専門家に相談することが重要です。これにより、お互いが心地よい関係を築きやすくなります。ADHDの特性を理解し、共にサポートし合う姿勢が求められます。