ADHD(注意欠陥多動性障害)は、集中力の欠如や過剰な活動性を特徴とする状態です。この状態を改善するためには、精神科や心療内科の専門医の診断と治療が必要とされます。ここでは、ADHDの治療に使われる主な薬剤とその特徴について掘り下げていきます。
日本で500万人以上?発達障害の中でも一番多いADHD(注意欠陥多動性障害)とは?
ADHD(注意欠如・多動性障害)は、精神科的な疾患の一つであり、注意力の欠如、多動性、衝動性の問題を含む症候群です。この状態は、日常生活や学校、仕事などの様々な場面で機能に支障をきたします。
大人になって初めて「自覚」し、診断を受ける方が大半を占めます。
大人も多いADHD予備軍
診断されていないだけで、特性を持っている方は日本に500万人以上いると言われています。同じフロアに30人の人がいたら、1人はいる計算になります。
「約束の時間に間に合わない」
「人の話が最後まで聞けない」
「うっかりが多い」
「整理整頓が苦手」
そう言えば、幼少期からこんなことあった…就職してからも続いているかも…という方は大人の発達障害の可能性大!
でも、落ち込まないでください。ADHDには効果的な治療薬があります。
主要なADHD治療薬とその作用
ADHDの治療には医薬品療法が広く利用されています。一般的に、刺激性医薬品と非刺激性医薬品が用いられます。
刺激性医薬品にはメチルフェニデートやアンフェタミン(日本では違法)が含まれ、非刺激性医薬品にはグアンファシンやアトモキセチンがあります。
これらの薬剤は、さまざまな症状を和らげ、日常生活の機能を改善する効果があります。
刺激性医薬品・コンサータ(メチルフェニデート)
コンサータは、登録医によって処方される薬のひとつです。脳内のドーパミン量を調整することで作用し、服用後すぐに効果が現れ、約12時間持続します。この薬は日中の活動に対して効果を示し、明確な効果の実感が得られやすいです。一方で、食欲不振や吐気、頭痛、体重減少などの副作用があるとされています。また、服薬に伴う副作用や注意事項については、医師の指示に従うことが必要です。
不適正な使用を防ぐため2019年12月より登録制となり、「患者カード」が必須です。
非刺激性医薬品・ストラテラ(アトモキセチン)
ストラテラは、脳内の神経伝達物質のバランスを調整し、注意力や衝動性を向上させる効果があります。非中枢神経刺激薬であり、従来の刺激薬に比べ依存性のリスクが低いとされています。一般的に内服薬として処方され、定期的な服薬が必要です。また、副作用として吐き気、眠気、頭痛などが報告されています。また、個々の患者によって副作用の出方や程度が異なるため、注意深く医師の指導の下で使用することが重要です。
非刺激性医薬品・インチュニブ(グアンファシン)
インチュニブは、もともと血圧を下げるために用いられていた成分を活用した薬です。中枢神経系に作用し、注意力や衝動性の制御を改善します。注意力の問題や過活動に効果を示し、一日を通じて効果が持続します。
眠気や頭痛、めまい、食欲不振などの副作用が報告されています。また、個々の患者によって効果や副作用が異なるため、適切な医師の指導の下での使用が重要です。
精神科への受診はお早めに
ADHDの治療は、正確な診断と定期的な受診が重要です。
診断は専門家である心療内科や精神科医によって行われます。
診察で、自身の症状や今までの生活での実例など、それに伴ったモヤモヤとした気持ちを口に出して伝えましょう。症状の詳細な評価や心理テストを通じて、医師による診断が行われます。
診断が確定したら、治療のために定期的に受診しましょう。
ADHDの治療薬には刺激薬と非刺激薬があり、個々の症状や状況に応じて適切な医薬品が処方されます。治療の効果や副作用についても、定期的に医師とのコミュニケーションを行い、適切な調整が必要になります。
よくある質問
- Q.ADHDの治療に使用される薬は何ですか?
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主なADHD治療薬には、メチルフェニデート(コンサータ)、アトモキセチン(ストラテラ)、グアンファシン(インチュニブ)が含まれます。
- Q.メチルフェニデートの作用は?
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メチルフェニデートは脳内のドーパミンとノルアドレナリンの量を調整し、注意力を向上させ、衝動性を抑える効果があります。
- Q.非刺激性医薬品の特徴は?
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非刺激性医薬品にはグアンファシンやアトモキセチンがあり、依存性のリスクが低く、注意力や衝動性の制御を改善します。