精神科・心療内科 渋谷区恵比寿の心療内科・精神科|ハロスキンクリニック恵比寿院 精神科・心療内科 コラム

睡眠薬の種別とそれぞれの特徴

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睡眠薬の種別とそれぞれの性質について

睡眠薬は、患者さんが抱えるさまざまな睡眠障害に合わせて、医師が最適なものを選択します。その作用機序や効果の持続時間により、いくつかの種類に分けられます。

睡眠薬の分類とそれぞれの特性について

非ベンゾジアゼピン系

このグループの睡眠薬は、脳内の特定の受容体に作用し、深い睡眠を促します。依存性や副作用が比較的少ないとされていますが、使用には注意が必要です。特に、記憶に関わる副作用や、翌朝の眠気が少ない点が特徴です​ ​。

ベンゾジアゼピン系

広範囲にわたる不眠症状に対応可能な睡眠薬で、催眠・抗不安・筋弛緩の効果を有します。ただし、依存性や長期使用による副作用のリスクが高いため、慎重な管理が求められます​ ​。

メラトニン受容体作動薬

体内のメラトニンと同様の作用をすることで、自然に近い睡眠を促します。特に、生理的な睡眠リズムの乱れを修正する効果がありますが、即効性は期待できません​ ​。

オレキシン受容体拮抗薬

覚醒を促すオレキシンの作用を抑制し、自然な眠りを導く新しいタイプの睡眠薬です。中途覚醒や早朝覚醒に有効で、依存性のリスクが低いとされています​。

作用時間による特徴

睡眠薬は作用時間の長さによっても分類されます。超短時間型は寝付きを助ける効果があり、短時間型は睡眠中の覚醒を防ぐ効果があります。一方、中間型や長時間型は夜通しの睡眠をサポートします。短時間型や超短時間型は、翌朝の目覚めが比較的スッキリしている点が利点ですが、中間型や長時間型は、一度目が覚めると再び眠りにつきやすい効果が期待できます​​。

睡眠薬の選択は、個々の症状やライフスタイル、副作用のリスクなどを総合的に考慮して、医師が行います。不眠に悩んでいる場合は、専門の医療機関を訪れて相談することが大切です。

薬理作用についての考察

睡眠薬は、大脳の活動を調節するGABA-Aレセプターという重要な部位に作用することで、その効果を発揮します。このレセプターは、γ-アミノ酪酸(GABA)という、中枢神経系で抑制的な役割を果たす神経伝達物質によって活性化されます。GABA-Aレセプターには、さまざまなサブユニットが存在し、睡眠薬はこれらのうち特定の部位に結合することで、睡眠を促進したり、鎮静効果をもたらしたりします。

BZ系睡眠薬と非BZ系睡眠薬は、このGABA-Aレセプターに作用することで、その薬理作用を発揮します。これらの薬剤は、GABAの作用を模倣または増強させることにより、中枢神経系の過剰な興奮状態を抑制し、安定した睡眠状態を促進します。GABA-Aレセプターは脳だけでなく脊髄にも存在するため、筋弛緩や運動障害の改善にも一定の効果が見られることがあります。

BZ系薬剤の中には、クアゼパムのように特定のサブユニットに対する選択性が高いものがあり、これにより抗不安作用や筋弛緩作用が他の薬剤に比べて弱められる特徴があります。一方、非BZ系薬剤はさらに選択的にGABA-Aレセプターのサブユニットに作用するため、副作用が少なく、より安全に使用できる可能性があります。

睡眠薬の適正な利用法

睡眠薬の使い方は、個々の症状や健康状態に応じて医師が決定します。ここでは、睡眠薬を利用する際の一般的なガイドラインを紹介します。

中間型と長時間型の使用

・目的と効果: 深夜や早朝に目覚めることなく、一晩中安定した睡眠を得ることが目的です。特に、繰り返し目が覚める、早朝覚醒がある場合に選択されます。長時間作用するため、翌日にかけての効果が持続し、時には昼間のふらつきやだるさを感じることがあります​​。

超短時間型と短時間型の使用

・目的と効果: 主に、急な不眠や寝つきの悪さに対応します。効果が短期間に及ぶため、寝付きを助けることに焦点を置いています。服用後の数時間で効果が減少し、比較的目覚めが良いのが特徴です​。

睡眠薬の種類や作用時間によって、それぞれに適した使用時の状況があります。短時間作用型は、主に入眠障害に対応し、中間から長時間作用型は睡眠の質を全般的に改善することを目的としています。しかし、全ての睡眠薬に共通して重要なのは、副作用への注意と、医師の指示に基づいた適正な使用です。特に、睡眠薬の効果が翌朝に持ち越されると、日中の活動に影響を及ぼす場合がありますので、使用する際は慎重に選択し、医師の指導を受けることが必要です​ 。

睡眠薬使用時の留意点と潜在的副作用

睡眠薬を利用する際には、いくつかの重要なポイントがあります。最も大切なのは、服用後に即座に眠りにつくことができない場合でも、追加で薬を服用したり、アルコールを摂取したりすることは避けるべきであるということです。これは、突然の眠気が襲ってきた場合に備え、薬を服用したらすぐに就寝することが推奨されます​ 。

また、睡眠薬の長期間の服用は依存性や耐性の問題を引き起こす可能性があり、自己判断での急な服用中止は逆効果となることがあるため、医師の指示に従って徐々に服用量を減らしていくことが大切です。クアゼパムに関しては、特に血中濃度が急上昇する可能性があるため、食後ではなく空腹時の服用が勧められています​ ​。

睡眠薬の副作用としては、のどの渇き、ふらつき、めまい、だるさ、血圧への影響などが挙げられます。これらの副作用が現れた場合、または副作用が強く出た場合には、速やかに医師に相談することが重要です。睡眠薬は症状に合わせて医師の指示に従い適切に服用することが最も重要であり、使用にあたっては医師や薬剤師に相談することが推奨されています​ ​。

特に睡眠薬の種類によって副作用の特性が異なるため、個人の状態やニーズに合わせて最適な薬を選択する必要があります。例えば、オレキシン受容体拮抗薬は副作用が比較的少ないとされていますが、個人差があり、安全性には高い評価がありますが、悪夢を見やすいという副作用が報告されています。一方、メラトニン受容体作動薬は自然な眠りを促す作用があり、安全性は非常に高いですが、効果が弱く感じる人もいるため、効果を実感するまでに時間がかかる場合があります​。

睡眠薬の使用にあたっては、これらの情報を参考にしつつ、医師や薬剤師と十分に相談し、個々の状態に最適な選択を行うことが求められます。


 

よくある質問

Q.非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の特徴は何ですか?

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は依存性が少なく、副作用も比較的少ないため、記憶への影響や翌朝の眠気が少ない点が特徴です。

Q.オレキシン受容体拮抗薬はどのような効果がありますか?

オレキシン受容体拮抗薬は覚醒を促すオレキシンの作用を抑制し、中途覚醒や早朝覚醒に有効で、依存性が低いとされています。

Q.睡眠薬の作用時間はどのように分類されますか?

睡眠薬は作用時間により、超短時間型、短時間型、中間型、長時間型に分類され、それぞれが寝付きを助ける、睡眠中の覚醒を防ぐ、夜通しの睡眠をサポートするなどの効果があります。


 


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監修医師

草薙威史 先生

草薙威史 先生

経歴
  • 山形大学医学部 卒
  • 二本松会山形病院
  • 飯沼病院
  • 星ヶ丘病院
  • さとうメンタルクリニック
  • 新宿溝口クリニック
  • ナチュラルアートクリニック
  • 新宿廣瀬OPクリニック
  • ひめのともみクリニック
  • 三田こころの健康クリニック新宿
  • 医療法人社団TLC医療会 ブレインケアクリニック 理事長
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