医療行為が保険適用となるためには、治療が「保険診療」に分類される必要があります。
心療内科のカウンセリングが保険適用されるかどうかは、医師の診断と治療計画に基づいて決定されます。一部の心理サポートは、保険適用外の場合もあり、患者が全額自己負担する必要があります。そのため、治療を受ける前に、治療内容が保険適用の対象かどうかを確認することが大切です。
カウンセリングとは
精神的な健康をトータルサポートするための治療で、患者の感情、思考、行動パターンを詳細に評価し、ストレス、不安、うつ病といった精神的な問題を解決するサポートをします。
対話を中心として進められ、患者一人ひとりの状況に合わせたアプローチが取られます。目的は、患者が抱える問題の原因を理解し、より良い対処方法を学び、日常生活の質を向上させることです。患者それぞれの精神的な苦痛を軽減し、健康な精神状態を回復・維持するための大切なメソッドです。
「心療内科の診察」と「心理カウンセリング」の違い
心療内科の診察と心理カウンセリングは、精神的な健康をサポートする方法として似ているように見えますが、目的とアプローチには明確な違いがあります。
心療内科の診察
心療内科の診察では、精神的な問題や障害の診断、治療計画の策定、必要に応じて薬物治療の処方が行われます。
医師は、患者の症状を詳しく聞き取り、心理的な問題が身体的な病気に関連していないかも含めて総合的に評価します。この過程で、血液検査などの身体的な検査を行うこともあります。
心理カウンセリング
臨床心理士や精神保健福祉士など、心理学の専門教育を受けた専門家によって行われます。彼らは医薬品の処方権は持っていませんが、心理的なアプローチで患者をサポートします。患者の感情的な課題や、行動の問題に焦点を当て、心理的な側面からの支援を行います。カウンセリングの目的は、患者が抱える心理的な問題を解決し、より良い対処方法を学び、自己理解を深めることです。
対話中心で、患者が自己の感情や行動を理解し、改善するための心理サポートを提供します。具体的な手法には認知行動療法や人間関係療法などがあります。
このように、心療内科の診察と心理カウンセリングは、目的とアプローチが異なり、それぞれが患者のニーズに応じて適切な心理サポートを提供するための重要な役割を果たします。どちらも精神的な健康の維持と改善には不可欠です。
心療内科での心理カウンセリングは何をする?
心療内科医が行う心理療法では、カウンセリングの他に、さまざまなアプローチが採用されることがあります。
認知行動療法(CBT)
認知行動療法は、患者の思考パターンと行動がどのように感情や心理的な問題に影響を与えているかを探り、否定的な思考や不健康な行動を識別し、それを改善する技術を教えます。目的は、より肯定的で現実的な思考に変えていくことにあります。
人間関係療法(IPT)
人間関係療法は、人間関係の問題が患者の心理的な症状を引き起こしていると考え、その人間関係を改善することを目的としています。対人関係のコンフリクト、社会的役割の変化、対人関係の不足などに焦点を当て、それらを解決する方法を探ります。
支持的療法
支持的療法は、患者に対して支持と共感を提供し、自己尊重感を高め、ストレスや困難に対処する能力を強化することを目的としています。患者が自己表現をしやすい安全な環境を作り出すことが重要です。
精神分析的療法
精神分析的アプローチは、無意識の思考や感情が現在の行動や心理的な問題にどのように影響しているかを探ります。過去の経験や抑圧された感情が現在の心理状態にどのように影響しているかを理解し、解決を図ることを目指します。
これらのアプローチは、患者の特定のニーズや問題に応じて選ばれ、複数組み合わせて使用されることがあります。心理サポートのプロセスでは、さまざまな方法を用いて患者が抱える心理的な課題を解決し、より健全な精神状態へと導くことを目指します。
心理カウンセリングにかかる料金の違いは
心療内科や精神科は基本保険適用
日本の健康保険は通常、心理カウンセリングをカバーしていませんが、心療内科や精神科の医師が行う治療の一環としての心理カウンセリングは保険適用される場合があります。この場合、患者は自己負担分の1割から3割のみを支払います。
臨床心理士や精神保健福祉士が行う場合は料金が設定されている
マンツーの場合
通常の心理カウンセリング(50分〜60分)の費用は、5,000円から15,000円程度が一般的です。
グループの場合
グループカウンセリングは、一人当たりのコストが低くなる傾向があり、参加者一人あたり2,000円から5,000円程度です。
オンラインの場合
オンラインでのカウンセリングは、場所を選ばず利用できるメリットがあり、料金は対面カウンセリングと同程度かそれ以下のことが多いです。
一部のカウンセリングセンターやNPOは、収入に応じて料金をスライドさせる制度を設けている場合があります。また、大学や地方自治体が、低コストまたは無料でカウンセリングサービスを行っていることもありますので、自分に合った専門機関を調べてみましょう。
どこで受けられる?
心療内科、精神科
処方薬も必要とするのならば、心療内科や精神科を受診しましょう。
カウンセリングセンター
カウンセリングセンターは、主に心理カウンセラーや心理士が常駐し、個人の悩みから家族、しょくばの悩みまで幅広く扱っています。
大学のカウンセリングセンター
学生や教職員を対象にした心理制度があります。これは主に学生のアカデミックな問題や個人的な問題に対応しています。
オンラインカウンセリングセンター
インターネットを通じて行われるサービスです。自宅にいながら、ビデオ通話やチャットを使ってカウンセラーと対話を行うことができます。
非営利団体(NPO)やコミュニティセンター
地域社会のメンバーを対象に低コストまたは無料で心理カウンセリングを提供している場合があります。
総合病院の心理サービス
総合病院には心理部門を設けている病院もあり、入院患者だけでなく外来患者も対象にカウンセリングを提供している場合もあるので、問い合わせして確認しましょう。
カウンセリングを受けたいと思ったら
カウンセリングを受ける前には、必ず施設に直接連絡を取って、費用や支払い方法、キャンセルポリシーなどを確認することが大切です。また、必要に応じて保険の適用範囲や無料・割引制度の利用可能性についても聞いてみると良いでしょう。
心理カウンセリングで豊かな暮らしに
心理サポートによって、抱えていた自身の問題と向き合い、医師との対話で得た新たな視点で問題に取り組むことができます。自分自身の感情や行動などを理解し、改善すること、自覚することが大切です。
不安だった気持ちや不安定な自分と向き合い、日常生活を円滑に進めましょう。
心理カウンセリングはどんな人でも受けることができます。
人生の危機や急激な変化など、自分一人じゃ解決できない時などに活用しましょう。
よくある質問
- Q.心療内科のカウンセリングは保険適用されますか?
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心療内科のカウンセリングは、医師の診断と治療計画に基づく場合に保険適用されることがあります。ただし、一部の心理サポートは保険適用外で、自己負担となる場合もあるので、事前に確認が必要です。
- Q.心療内科の診察と心理カウンセリングの違いは何ですか?
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心療内科の診察は、精神的な問題や障害の診断、治療計画の策定、薬物治療を行うことが主な目的です。心理カウンセリングは、臨床心理士や精神保健福祉士が行い、心理的な問題の解決と対処方法の学習、自己理解を深めることを目的としています。
- Q.心療内科や精神科以外で心理カウンセリングを受けられる場所はどこですか?
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カウンセリングセンター、大学のカウンセリングセンター、オンラインカウンセリングセンター、非営利団体(NPO)やコミュニティセンター、総合病院の心理サービスなど、様々な場所で心理カウンセリングを受けることができます。