グレーゾーンとは、発達障害の診断基準に満たないこと
発達障害のグレーゾーンとは、医学的な診断基準に完全には当てはまらないものの、発達障害の特性や傾向がある程度見られる状態を指します。
この用語は、正式な医学的診断名ではなく、発達障害の可能性があるが、診断基準には満たない人々に対して使われる通称です。
【年齢別】グレーゾーンの特徴
幼児期
- マイルールにこだわる
- 夢中になると、猪突猛進
- 同年齢の子供と上手く遊べない
学童期
- 落ち着きがない
- TPOが考えられない
- 話がまとまらない、止まらない
- 規則が守れない
- 忘れ物が増える
- 読み書き、計算でつまづくようになる
思春期
- KYな言動
- 言わなくていいことを言ってしまう
- 気持ちを汲み取ることが出来ない
- 集中力がない
- 整理整頓ができない
グレーゾーン特有の特徴はありません。すべて、ASD(自閉症スペクトラム)やADHD(注意欠如多動性障害)の特性に似ています。
グレーゾーンの人への関わり方
マイルール対策
発達障害の人は、独自の決まりを持っている人が多数います。
良い言い方をすれば「信念を持って追求できる人」ですが、大体の人が「こだわりが強くてめんどくさい人」とレッテルを貼られてしまいがちです。
止めさせるのではなく、時間を決めたり休憩するように促すのがいいでしょう。
せわしない行動
成績表に「落ち着きがない」と書かれる人いますよね。
じっとしていて欲しい時に、そわそわしてしまう、など大人になってからも注意されている人を多く見かけます。本を読ませたり、ゲームをしたり、他の何かに集中させるようにするとおさまる場合があります。
集中しすぎて疲れてしまう
集中力があるのは、とてもいいことですが、集中しすぎることを「過集中」といって、集中しすぎることによって、生活に支障が出たり、無理をしすぎて身体に不調が出たり、心身ともに影響が出てしまいます。周りが見えないことも多いため、周りからの声が聞こえにくく、無視してしまい、あらぬ誤解を受ける事もあり、気を付けなければいけません。
集中する時間と休息する時間を作り、アラームなどをかけてONOFFをつけましょう。メリハリのある生活が望ましいです。
なくしものや忘れ物、スケジュール管理が出来ない
これも、小さい頃から怒られる事が多いことのひとつです。
実家では親が助けてくれますが、大人になってひとり暮らしになったら自分で対策していかなければいけません。
なくしものには、ものの置き場所、居場所を決めてしまうと良いでしょう。いつも同じ場所に置くと、探す時間のロスも減り、スムーズに出発できます。また、スマートタグなどが活躍するといいでしょう。家のカギやお財布など、なくしたら困るものに付けておくと、なくした時にインターネットで探すことができ、見つかる確率が格段に上がります。
忘れものは、前日に用意を全部してから就寝する、持って行くものを全部玄関に置いておき、出かける時に目に入るようにする、など余裕を持って準備することが大切です。
スケジュール管理には、スケジュールアプリを利用したり、スマホのスケジュール機能でリマインドしたり、TODOリストを作成して、目に見えるようにタスク管理しましょう。
金銭感覚がない
衝動買いや無駄遣いをしてしまいがちです。
自分の好きなものや、こだわりのあるものにお金を使ってしまい、余計な出費が増えてしまいます。、生活費がなくなって借金をするなんてこともしばしばあります。
金銭管理には、デビットカードや電子マネーの限度額を払える範囲に下げ、お金の使い道も事前に決めておく、買うときは本当に必要なものか考えたり、誰かに相談して判断してもらうと、無駄遣いしなくなりそうです。
特性によっては、人の気持ちを推察するのが苦手なので、詐欺被害に遭いやすいという問題も指摘されています 。
人間関係のもつれ
学校生活や会社の人間関係で悩むこともあります。特性のひとつである、KYな言動が相手を傷つけてしまい、大ケンカになってしまったなど、そんな時はしっかり話を聞いて、味方になってあげましょう。あったことを、紙に書いて状況を整理したり、解決策を一緒に考えてあげましょう。
思春期などで反抗的な態度を取る場合もありますが、いつでも味方になり、関係者や周りの人とも共有し、連携しながら、解決の糸口を見つけましょう。
グレーゾーンにサポート制度はある?
日常生活や学校、職場などで困難を経験することがあります。これには、社会的スキルの発達が遅れる、注意力の問題、特定の学習分野での困難などが含まれますが、正式な診断をされていないために、適切なサポートや理解を得るのが難しい場合があります。
このような状況は、子どもの発達段階や成人に至るまでさまざまな形で現れ、個々のニーズに応じた適切なサポート体制が大切となります。
発達障害のグレーゾーンに当てはまる人たちは、グレーゾーン故に、障害者手帳の取得ができないことが多く、国のサポート制度の利用にも制約が生じることがあります。
自立支援医療制度やハローワークなど、グレーゾーンにいる人が利用できるサポート制度やプログラムを活用しましょう。グレーゾーンの人のための、就労支援や日常生活での困難に対応したアドバイスを提供しています。
最後に
発達障害のグレーゾーンは、目に見えなくて曖昧な状態です。
発達障害やグレーゾーンについて、不安や疑問がある場合は、お住まいの近くにある発達障害者支援センターなど、専門機関に相談してみましょう。
グレーゾーンだと感じた場合は、専門医の診察と適切な診断を受けましょう。
正式な診断が下れば、さまざまな医療や生活、就業のサポートが受けられます。
将来に向けて、自身の特性をより深く理解し、自身のニーズに合った対策を考え、発達障害の診断の有無に関わらず、自身に合ったサポートや処世術を身に着けることが大切です。
よくある質問
- Q.発達障害のグレーゾーンとは何ですか?
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発達障害のグレーゾーンとは、正式な診断基準には満たないものの、発達障害の特性や傾向が見られる状態を指します。
- Q.グレーゾーンの子供に見られる特徴は何ですか?
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グレーゾーンの子供には、マイルールへのこだわり、落ち着きのなさ、TPOを考えられない、整理整頓ができないなどの特徴が見られます。
- Q.グレーゾーンの人が利用できるサポート制度はありますか?
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グレーゾーンの人も自立支援医療制度やハローワークの就労支援プログラムを利用することができます。