聞こえてるのに、聞いてない?APD
APDは、聴覚情報処理障害と言い、聴力自体に問題がないにもかかわらず、音声の理解や処理が難しい状態です。
この障害は、脳の特定の領域の機能障害によって発生して、一般的な聴覚検査では異常が見つからないため、診断が難しい特徴があります。聴覚検査で異常が見つからない場合でも、日常生活や仕事でコミュニケーションに困難を感じている人がいます。これらの困難は、脳の損傷、発達障害、注意力や記憶力の欠如、心理的な問題などが考えられ、環境によって異なり、特に騒がしい場所や多くの人が同時に話している場などでは、言語の理解が一層難しくなる傾向にあります 。
APD(聴覚情報処理障害)の特徴はたくさんある
- 誤解したまま聞き取ってしまう。
- 音声指示を聞き取るのが難しい。
- 聴覚刺激に対して筋違いなリアクションを取る。
- IQは、通常平均か平均以上である。
- 雑音の中での聞き取りが難しい。
- 聴覚的な記憶力が低く弱い。
- 人が大勢いるところでは、話が聞き取り辛い。
- 聴覚的注意力の欠如。
- 音楽やTVの音は大きければ大きいほど良いと感じる。
- 話がわからないので、気が散りやすく注意力が散漫になる。
- 理解している言葉が少ない。聞いたことを言葉にするのが難しい。
- 言語指示に対しての反応が遅れる。
- 求められた話について、絶えず確認する。
- 読み書き、習字など、学習面においての問題がある。
- 類似する言語音の弁別や識別が難しく、聞き間違いが多い。
- 言語情報が減少すると、言葉の意図の理解が難しい。
- 日常の周囲の雑音から必要な音を選択できない。
- 大切な話や音などに、気に止められない。気にならない。
- リスニング学習が難しい。
- APDとADHD(注意欠如多動性障害)を両方持ち合わせている人が多い。
- 時間概念を正確に理解することが難しい。常に現在に生きており、未来を把握し辛い。時間把握感覚が鈍い。
- 聞き返しが多くなる。
APDの人は、雑音の中での聞き取りや、早口、複数の音声データを同時に処理することに苦労することが多く、文字データの理解には問題がない特徴があります。
APDを持つ人にはどう接するべき?
言葉は短く具体的にゆっくり話す
「〇〇を〇〇して」など、具体的に指示を出すと理解しやすいです。
余計な枕詞や長文で話してしまうと、そっちに気が散って本当に伝えたいことが伝わりません。
好奇心をそそること
得意なことや面白いゲームなど、興味や関心があることを利用すると、効果的に伝えられます。勉強や仕事などにも、その好奇心があれば円滑に進めることができると思います。
視線を合わせ、伝える。
APDが何かしている時や手が離せない時などは、相手の名前を呼び、こちらを向いてちゃんと話を聞く姿勢が取れてから話しましょう。
誰に話しかけているか分からないなどにならないよう注意しましょう。
さっき伝えたことを復習
教えたことを、もう一度本人の口で言ってもらい動きでも再確認させましょう。
まとめ
APDは、その特性によって、日常生活や学校・職場でのコミュニケーションに影響を及ぼすことがあります。しかし、適切なセルフコントロールの仕方と周りのサポート体制で、これらの困難を乗り越え、生活の質を向上させることが可能です。APDは、病気では有りませんが、特性により他の症状が出てくる場合もあります。その場合は、専門の医療機関に相談することが大切です 。
APDは個々の特性によって、さまざまな影響が出るため、将来に向けて自身や周りのサポートしてくれる人たちとの連携を密にしながら、最適な対応策を探求することが大切です。
よくある質問
- Q.APD(聴覚情報処理障害)とはどのような障害ですか?
-
APDは、聴力には問題がないものの、音声の理解や処理が困難な状態を指します。
- Q.APDを持つ人に対してどのように接するべきですか?
-
言葉を短く具体的にし、視線を合わせて話し、理解を確認するために復習させると効果的です。
- Q.APDの特徴にはどのようなものがありますか?
-
雑音の中での聞き取りが難しい、音声指示の理解が困難、聴覚的注意力が欠如しているなどの特徴があります。